「写真を送ったので伝わっているはず」と思っていた仕上がりが、試作品では違っていた。こうした行き違いは、資料ごとの役割を決めていないと起こりやすくなります。
寸法、位置、公差、材質など、数値で判定する項目は図面や仕様書に記載します。写真は色味や質感、組立後の見え方などを共有するのに役立ちますが、照明や画面によって印象が変わるため、写真だけで合否を決めるのは難しいものです。触感、開閉時の抵抗、表面の仕上がりなど、言葉や写真で伝えにくい項目には現物サンプルが有効です。
複数の資料を渡す場合は、食い違ったときに何を優先するかも決めます。例えば「寸法は承認済み図面、外観は承認済みサンプルを基準とする」と明記し、それぞれに版番号と承認日を付けます。変更箇所は図面や写真に印を付けるだけで終わらせず、変更前後の内容と適用する生産分を工場と共有しましょう。
中国工場への指示では、翻訳の正確さに加え、現場の作業者や検査担当者が同じ基準を参照できることが重要です。日立貿易では、日本側の要望と現地の製造条件をすり合わせ、試作から量産へ引き継ぐ仕様の整理を支援します。
